現行である15代目クラウン(220系)は、よく価格が高くなりすぎ!とか内装がチープでレクサスに忖度している!とか言われています(自分はそう思ってはいませんが…)。というわけで、現行クラウンが本当に割高になっているのか調べてみようと思います。
自動車の価格は装備の価格
よくレクサス車には「ES は中身カムリ」とか「RX は中身ハリアー」とかよく言われますが、単純にトヨタマークをレクサスマークに変えただけではなく使える部材が違っていて中身は高価で性能の高い部材が使われています。
そんなことはさておき、同じトヨタ内であれば基本的に装備の差で自動車の価格差が出てきます。というわけで13代目クラウン(200系)と15代目の装備差を見てみます。
13代目クラウンと15代目クラウンの装備差
項目 | 13代目(200系) 3.5ハイブリッド Gパッケージ | 15代目(220系) 3.5ハイブリッド G-Exexutive |
---|---|---|
タイヤ | アルミホイール スペアタイヤ | ノイズリダクションアルミホイール |
ヘッドライト | ヘッドランプコントロールシステム | アダプティブハイブーム |
衝突回避 | 障害物回避 歩行者検知(昼夜) | 障害物回避 歩行者回避(昼夜) パーキングサポートブレーキ(前後) |
運転支援 | クルーズコントロール(50km/h以上) レーントレース | クルーズコントロール(全車速) レーントレース |
支援モニター | サイドモニター | パノラミックビューモニター デジタルインナーミラー ブラインドスポットモニター |
空調 | 左右独立エアコン | 3席独立エアコン |
ネットワーク | なし | DCM |
13代目クラウンを15代目並みに装備させると
自動ブレーキの精度やその他細かい装備に関しては時代の進歩として差額は発生しないとして概ね上の表が違いかと思います。13代目クラウンをベースに15代目の装備を装着すると以下の価格になります。
※発売時期が異なるため、あくまで参考値となります。
装備 | 価格(税抜) | 備考 |
---|---|---|
本体価格 | 5,904,762円 ※220系は6,720,909円 | |
ナイトビュー プリクラッシュセーフティシステム クリアランスソナー&サイドモニター レーンキーピングアシスト ITS スポット対応DSRCユニット トヨタプレミアムサウンドシステム | セット価格 896,000円 | 200系メーカーオプション価格 |
ITSスポット対応 DSRC ユニット | △21,000円 | 220系未装備のため取り外し |
トヨタプレミアムサウンドシステム | △85,000円 | 220系未装備のため取り外し |
リアオートクーラー | 60,000円 | 200系メーカーオプション価格 |
ノイズリダクションホイール | 60,000円 | 220系オプション目安 |
アダプティブハイブーム | 90,000円 | ヤリスクロスオプション価格参考 |
デジタルインナーミラー パノラミックビューモニター パーキングサポートブレーキ ブラインドスポットモニター | セット価格 141,000円 | 220系 メーカーオプション価格 セーフティパッケージPlus |
DCM | 36,000円 | 継続年会費を初回3年分算出 |
こう見ると現行クラウンはかなり装備が充実してますね。最近は高度運転支援などが標準装備されてくるためベース車両価格が高くなりがちです。
車両 | 車両価格 | オプション価格 | 総額(税抜) |
---|---|---|---|
13代目クラウン 3.5 ハイブリッド Gパッケージ | 5,904,762円 | 1,177,000円 | 7,081,762円 |
15代目クラウン 3.5 ハイブリッド G-Executive | 6,720,909円 | 13,000円 ※スペアタイヤ | 6,733,909円 |
実は現行クラウンは高すぎるわけではない
あくまで参考価格にすぎませんが、13代目クラウンと15代目クラウンを同じ装備で比較すると安くなっています。時代背景とともに過去にオプションだったものが標準装備に変わってしまったのが大きな要因かと思います。
単純比較はできませんが、200系クラウンを現行クラウンと同じ装備にすると税抜700万円となり意外にも現行クラウンよりも30万円ほど高くなりました。この30万円を減らすために様々なパーツを他車種と共用したり、内装を簡素にして価格を抑える努力をしてるんだなぁと感じました。
一方でレクサスなどはトヨタより価格設定が高いためよりリッチな内装にできるため、バブル期と同じような内装を維持したまま販売できるんだと思います。
実は自動車全体が高くなってる
上記で列挙した表の中で一番高価なのがプリクラッシュセーフティシステムです。いわゆる自動ブレーキというやつですね。最近の自動車にはこれが標準装備されていることが多く、その影響で価格が高くなっています。軽自動車なんてもう150万円とかザラですしね…
というわけで、クラウンは実は高くなってるわけではなく頑張って価格維持してるとお分かりいただけましたでしょうか?価格設定の中でどこをコストカットするかかなり悩んでらっしゃる気もします。旧型モデルと比べて100万円程度のオプションが標準装備されてると思えば、金銭感覚は似たような感じになるんじゃないでしょうか?