たまにターボ車には1.0Lエンジンで1.5L相当だったり、2.0Lエンジンで3.0L相当と言われたりしますよね。2LターボでLexus IS300とか。BMW 330iとか。
もちろん適当に言っているわけではなく、理由があって〇〇相当となってます。
基準は2種類ある
出力基準
主に欧州のメーカー(BMW、ベンツ)が使っている基準になります。基本的に今の欧州車はターボエンジンですので、どの自然吸気エンジン相当に当たるかを示しています。
例えばBMWだと330i(2.0Lエンジン、3.0L相当)や、540i(3.0Lエンジン、4.0L相当)などです。下2ケタが当てはまる自然吸気エンジンの排気量を表しています。
自然吸気エンジン相当 | 出力目安 |
---|---|
1.0L | 60kW (82ps) |
1.5L | 90kW (122ps) |
2.0L | 120kW (163ps) |
2.5L | 150kW (204ps) |
3.0L | 180kW (245ps) |
4.0L | 240kW (326ps) |
5.0L | 300kW (408ps) |
6.0L | 360kW (489ps) |
自然吸気エンジンでは 1L 当たり 60kW (82ps) を目安にしています。超高回転エンジンでは 1L 当たり 74kW (100ps) を超えている自動車も過去にありましたが、一部なので一般的にはこれくらいの出力です。
トルク基準
主に日本車の小型車に使用されています。例えばホンダの軽自動車ターボであれば 0.66L で 1.0L 相当の加速という表現を使います。
自然吸気エンジン相当 | トルク目安 |
---|---|
1.0L | 100N・m (10.2kgf・m) |
1.5L | 150N・m (15.3kgf・m) |
2.0L | 200N・m (20.4kgf・m) |
2.5L | 250N・m (25.5kgf・m) |
3.0L | 300N・m (30.6kgf・m) |
4.0L | 400N・m (40.8kgf・m) |
5.0L | 500N・m (51.0kgf・m) |
6.0L | 600N・m (61.2kgf・m) |
自然吸気エンジンでは 1L 当たり 100N·m (10.2kgf·m) を目安にしています。エンジンの設計で多少の差はありますが、一般的にはこれくらいのトルクです。
自動車の一例
メーカー | 排気量 | トルク | 車種例 |
---|---|---|---|
ダイハツ | 0.66Lターボ 1.0L相当 | 100N·m/3,600rpm | タント |
1.0Lターボ 1.4L相当 | 140N·m/2,400-4,000rpm | トール ロッキー | |
トヨタ | 1.2Lターボ 1.8L相当 | 185N·m/1,500-4,000rpm | カローラ C-HR |
1.6Lターボ 3.7L相当 | 370N·m/3,000rpm | GRヤリス | |
2.0Lターボ 3.5L相当 | 350N·m/1,650-4,400rpm | クラウン IS300 RC300 NX300 RX300 | |
3.5Lターボ 6.0L相当 | 600N·m/1,600-4,800rpm | LS500 | |
ホンダ | 0.66Lターボ 1.0L相当 | 104N·m/2,600rpm | Nシリーズ |
1.5Lターボ 2.4L相当 | 240N·m/1,900-5,000rpm | シビック | |
2.0Lターボ 4.0L相当 | 400N·m/2,500-4,500rpm | シビック タイプR | |
日産 | 3.0Lターボ 4.0L相当 | 400N·m/1,600-5,200rpm | スカイライン |
3.0Lターボ 4.7L相当 | 475N·m/1,600-5,200rpm | スカイライン 400R | |
3.8Lターボ 6.3L相当 | 637N·m/3,300-5,800rpm | GT-R | |
スバル | 1.8Lターボ 3.0L相当 | 300N·m/1,600-3,600rpm | レヴォーグ フォレスター |
2.0Lターボ 4.2L相当 | 422N·m/4,400rpm | WRX STI | |
スズキ | 0.66Lターボ 1.0L相当 | 100N·m/3,000rpm | アルト |
1.4Lターボ 2.1L相当 | 210N·m/2,100-4,000rpm | エスクード | |
1.4Lターボ 2.3L相当 | 230N·m/2,500-3,500rpm | スイフトスポーツ |
どう見たらいいか
一般道で必要になってくるのは加速力ですので、感覚に直結するのは低回転トルクとなります。現在発売されているターボ車は燃費の兼ね合いもあり低回転向けターボですので、トルク基準で考えた〇〇cc相当で判断するのがいいと思います。日本は車速が低いですから、ほとんどこれに該当すると思います。
一方で、高速道路での追い越し時の加速など(いわゆる中間加速)では、トルク基準で考えると思ったほど加速しないと感じます。これは高回転でのトルクが少ないからですね。高速走行時には出力基準の〇〇cc相当で判断するのがいいと思います(とはいえ100km/hを超えるくらいなので、日本はあまり関係ないかも)。
外車が出力基準で考えてるのは、欧州等では車速が高いから、高級車は馬力の高さがモノをいう、みたいな文化があるからかなぁと思います。
ちなみにレクサスは LC500h はトルク基準で付けてるものの、IS300 は出力基準、LS600h はトルクでも出力でもない何か。ガソリンターボは出力基準ですが、トルクは感覚的に付けてる気がします。
まとめ
日本で走ってる以上トルク基準で考えれば十分です。一方で新東名などごく一部の120km/h道路だけ見れば、出力基準も考慮してもいいと思います。
ちなみに蛇足ですが、サーキットだとトルク特性やエンジン以外の要素も必要なのでこの限りではありません。